4月に8%へ変更となった消費税ですが、
6月時点で完了していないウェブサイトは未だ30%近くあるようです。
この数値には個人店・士業の方が廃業したもののそのまま、
なども含まれているでしょうから
鵜呑みにする必要もないとは思いますが、
問題は、対応したと思っているのに
実は未対応の部分が残っていた、
というパターンのウェブサイトです。
いずれにせよ、
対応漏れは無いに越したことはないですね。
そこで本日は、WordPress で作られたウェブサイトで
増税の変更に対応するための、
・WordPress で書き換えが必要な場所の確認
・WordPress で書き換えが必要な箇所を探す方法
・ドリームハイブはこうやっている
といった内容についてご紹介させていただきます。
今回のテクニックは、
ウェブサイトの情報を更新漏れを防ぐのにも応用できますよ!
目次
<<本コンテンツの対象となる方>>
・WordPress でウェブサイトを構築している方
・ウェブサイトの情報を更新するのに漏れをなくしたい方
<<WordPress で書き換えが必要な場所>>
WordPress で構築されたウェブサイトは、
投稿や固定ページのデータを次の2つの場所に保存しています。
◎ファイル
・テーマ(デザイン)ファイルに直接記述した情報
・画像・動画などのメディア
・アップロードしたテキスト・PDF ファイル
などです。
◎データベース
投稿や固定ページ、コメントが基本ですが、
カテゴリーやタグ、カスタムフィールド、なども保存されています。
また、プラグインが使う情報(メールの返信の内容など)も
保存先はデータベースです。
確実にこれらの情報の更新を行うには
この2つの場所を網羅しなければならない、
と言うことをまずはご理解ください。
<<WordPress の機能を使って書き換えが必要な箇所を探す>>
WordPress の機能を使って
書き換えたい情報(今回であれば税金部分)を探す方法です。
◎WordPress 本体の機能を利用する
WordPress 本体の管理画面には、はじめから検索機能が付いています。
管理画面にログイン後、
「投稿|投稿一覧」メニューから投稿の一覧画面を開くと、
右上に「投稿を検索」ボタンが表示されます。
ここにフリーワードで検索したいキーワードを入力して
「投稿を検索」ボタンをクリックすると、
キーワードを含んだページのみに一覧が絞り込まれます。
一覧の上部にあるドロップダウンを使えば、
日付やカテゴリーを指定して絞り込むことも可能です。
「固定ページ」や「コメント」の一覧画面でも
投稿と同様の検索や絞り込み機能を利用できます。
◎Jetpack プラグインを利用する
WordPress には Jetpack という
WordPress 本体の機能を大幅に拡張するプラグインが
無料で提供されているのですが、
この Jetpack プラグインには
一括検索の機能が備わっています。
Jetpack プラグインのインストール後
管理画面には「Jetpack|一括検索」メニューが追加されます。
この機能で検索を行うと、
「投稿」「固定ページ」「コメント」「メディア」「プラグイン」を
一回の操作でまとめて検索することができます。
参考:
○Jetpack の一括検索を使えばコメントやメディアまで串刺し検索できる
→ http://goo.gl/ooL4K8
本体の機能、Jetpack の機能、どちらを使っても構いませんので、
検索した結果の中から必要な情報を書き換えていきましょう。
今回の例であれば、
「税込」「税」などのキーワードで検索することで
すばやく該当の情報を探すことができるでしょう。
ただし、この方法には注意点が2つあります。
1つは、次の履歴情報に関しては置換が行われない、という点です。
WordPress は投稿や固定ページの変更履歴を
(標準では)すべて持っているのですが、
その履歴情報については検索されないため、
履歴から復元した記事が過去の税率のまま、
などと言うケースが発生する可能性があります。
もう1つは、
「プラグインが個別に保有しているデータの置換が行われない」
という点です。
例えば、問い合わせフォームを作成可能な
Contact Form 7 のプラグインの設定などのデータの置換は行われません。
だから返信メールの内容が過去の税率だった、
などの自体が発生しかねないということです。
ですので、管理画面からインストールしたプラグインのデータを
1つずつ見ていく作業が必要になるでしょう。
<<データベースの内容を直接検索・更新する>>
ここまででご紹介した方法が、書き換えを行う基本的な方法でした。
しかし、1コンテンツづつ書き換えなければならないので、
サイトの規模が大きくなるとその作業量は大きくなりますね。
そこで、上級者向けの手法ではありますが、
一括で書き換えを行う方法についてもご紹介いたします。
それは、直接データベースを書き換える、です。
WordPress は MySQL というデータベースで動作しているのですが、
MySQL の管理ツールである phpMyAdmin というウェブ上のツールが
多くのレンタルサーバーで提供されています。
このデータベースの管理ツールを用いて SQL という言語に使い
データを直接検索・置換してしまうというものです。
管理ツールを使った方法は次の2種類があります。
◎直接置換する SQL を記述する方法
◎データベース全体をエクスポート、該当箇所を置換したあと、インポートする
これならば、ほぼ1回の作業で
データベース上の全ての書き換えが終わります。
検索と違って「変更履歴」や「プラグインのデータ」の
書き換えも行われます。
問題点として、
書き換え作業中の間は一時的にサイトが停止状態になりますので、
大規模なサイトやアクセス頻度の高いサイトでは
実施しづらいということでしょうか。
<<ファイルを検索・置換・再アップロードする>>
ここまで WordPress の投稿や固定ページ、コメント、
プラグインのデータの書き換えを行ってきましたが、
忘れがちなのがファイル関連の更新作業です。
◎テーマ
WordPress は「テーマ」という機能でレイアウトやデザインを持っているのですが、あまり WordPress のことをわかっていないデザイナーさんなどが、このテーマのデータを直接変更していることがあります。
この場合、直接テーマファイルを書き換える必要が出てきます。
Grep などのツールを使うことで一括置換しましょう。
弊社でも、補助ツールとして GrepReplace というフリーソフトを配布しています。
○GrepReplace
→ http://goo.gl/qnngEk
◎アクセサリー画像
バナーやボタンなどを画像で作っている場合、
検索では出てきません。
税込み価格を表記した画像などがあれば、
該当のファイルを編集後にアップロードし直しましょう。
◎アップロードしたコンテンツ
アクセサリー画像以外にも、
コンテンツとしてアップロードした画像・動画などのメディア、
テキストや PDF ファイルも書き換えの対象ですね。
こちらも WordPress の検索機能では出てこないものです。
ただ、管理画面の「メディア|ライブラリ」メニューから
一覧を表示できますので、
該当するファイルがあれば内容を更新してアップロードしなおしましょう。
<<その他>>
ウェブサイトについては上記で終了です。
「メルマガ配信スタンド」など外部のツールを利用しているのであれば、
それらの設定の見直しも行いましょう。
<<まとめ>>
いかがでしょうか?
思ったより作業範囲が広いと思われた方も多いと思います。
消費増税については今更感もあると思いますが、
まずは完璧に対応したと思い込まず、
仮に変更忘れがあったとしても、
今回ご紹介した対応のどの方法を使えば良いのか、
などをマニュアル化しておくのがよいかと思います。
その他、IT 関連の疑問があれば、お気軽にご相談ください。
※Excel や Word などのソフトの疑問などでも大丈夫ですよ!