中小企業のノートパソコンの買い方には、

  • 量販店などで販売している一般向けモデルを購入する方法
  • 法人向けモデルを買う方法

の2つの方法ががあります。
 

これらのモデルの違いにはハード面とソフトウェア面があるのですが、
小規模な企業ですと、あまり違いを考えずに
価格のみで購入されているのをよく見かけます。

これらの違いは価格以外にも影響してきますので、
中小企業の場合と、一般(個人事業主やコンサルタント)の場合に分けて
最適なものを選択するポイントを説明したいと思います。
 

本日のコンテンツは次の通り。

  • ハードウェアで見る違い
  • ソフトウェアで見る違い
     

この違い、各メーカーにもっと主張してもらいたい(笑)

 

ハードウェアで見る違い

一般向けとビジネス向けでは選ばれる理由が違います。

そのため、各メーカーは選ばれる理由に合わせて
ハードウェアの構成を大きく変えています。

以下は、弊社が注意しているポイントをまとめたものです。
 

構造と強度

もっとも見た目にも影響が出るのが素材と構造です。

一般向けの場合、アルミニウムを用いた筐体に塗装を施すなど、
スタイリッシュさを優先する傾向が強いです。

しかし、ビジネス用途では壊れないことが重要であるため、
ABS樹脂やプラスチックなどを採用しているものも多く、
一般向けと比較すると無骨な印象のものが多いと言えます。
 

例えば、

  • パナソニックの「タフブック」、
  • ヒューレット・パッカードのモバイルワークステーション「ZBook」、
  • レノボの「ThinkPad T」シリーズ

などが堅牢なモデルとして有名です。
 

画面

画面の見やすさは、一派用途とビジネス用途ではだいぶ変わってきます。

一般のユーザーは写真や映画(動画)が
キレイに見えることなどを条件としますが、

ビジネス用途では長く見ても目が疲れないなどが重要です。

弊社でチェックしているポイントを挙げます。

  • 画面の比率
    画面の比率は、縦と横の比率のことです。
    写真や動画を視聴する場合はハイビジョンなどの
    16:10や16:9などが良いとされていますが、
    ビジネス用途では歴史上(とかPowerPointの既存資産の都合で)
    4:3のものが良いとされる傾向が強いです。
  • アンチグレア(ノングレア)かどうか
    反射率が大きいかどうかなのですが、光沢がないものがアンチグレア液晶です。
    光沢があると写真や動画が映える代わりに映り込みが強く、
    室外環境などだと見えづらくなります。
    そのためビジネス用途ではアンチグレアタイプが好まれます。
     

キー配列

気にされていない方も多いのですが、
キーボードの配列はメーカーによってかなり違います。

弊社でチェックしているポイントを挙げます。

  • キーボード配列
    アルファベット以外のキー(TAB/ESC/DELなど)のレイアウトは、
    キーボードの配列の種類に依存しています。
    日本で売られている多くは日本語キーボードか英語キーボードですので、
    好みに合わせて選択するのが良いでしょう。
    ビジネス用途では基本は日本語キーボードですが、
    開発会社などでは英語キーボードを好む方が多くいます。
  • ファンクションキーの有無
    キーボード配列の一種ですが、ファンクションキーの有無、
    マルチメディアキーの有無などを検討対象にしましょう。
    ビジネス用途では、ファンクションキーがあった方が効率が良いですね。
  • テンキー
    一般向けの小形のものは、ほとんどの機種で省かれているか、
    Fnキーなどとの複合キーになってしまっています。
    数値入力が多いビジネスであれば、テンキーの要不要を検討材料にしましょう。
  • 打鍵感
    普段の入力に使うものですから、できる限り購入前に触って
    長時間の入力に耐えられそうか確かめるのが良いでしょう。
     

保守性

保守性とは、自社(自分)でメンテナンスしやすいかどうかです。

ビジネス用途でハードウェアに問題が出たときには、
どれだけ早く現場に復帰させられるかと言うのが重要です。

弊社では、次のパーツが交換できるかどうかを選択の基準にしています。

  • バッテリー
    1年ぐらい使うとすぐにダメになるのがバッテリーです。
    ビジネス用途では、簡単に交換品が手に入るかどうかと言うのが使い続ける上でのポイントと考えています。
  • HDD
    パソコンの部品で壊れやすいかつ交換することでスペックに影響が大きいので、メンテナンスできるかどうか、しやすいかどうかがポイントとなります。
  • メモリ
    HDDと同様の理由ですが、加えてどこまで増設できるかどうかがポイントとなるでしょう。
     

保証・サポート

ハードウェアに不調が出た際、
自社(自分)でどうにもならない場合には
メーカーのサポートを受ける必要があります。

一度導入すると2~5年は使い続けることが多い企業向けでは、
保証やサポートはとても重要度が高いのです。

  • 延長保証・サポートの有無
    一般向けのノートパソコンは基本的に1年しかサポートされません。
    対してビジネス向けでは、ほぼすべてのメーカーが延長できるサービスを提供しています。
    企業であれば、次の機器導入までの期間は延長できるものを選ぶべきでしょう。
  • 対応の速度
    ハードウェアトラブルの際、復旧をお願いしてから実際に復旧するまでの期間の対応速度です。
    ビジネス用途では機会損失を重視すべきですので、オンサイト(即日)サービスが提供されているかが検討すべきポイントとなるでしょう。
     

ソフトウェアで見る違い

一般向けの製品では、使わないようなソフトが
大量にインストールされていることも多いのですが、
ビジネス用途では必要最低限しか含まれませんので、
必要に応じて追加で購入する必要があります。

しかし、追加で購入するよりもお得なオプションがあるなら選択すべきでしょう。

以下、弊社での選択の一例です。
 

Windows のエディション

Windowsの選択肢には、
バージョンとエディションの2つの側面があります。

バージョンは、先日サポートが終了されたXP以降、Vista/7/8/8.1が存在します。
エディションには、無印/Business/Proなどがあります。
 

ビジネス用途であれば基本的にバージョンは新しい方が良いのですが、
税理士・会計士さんの使われているのような
特定のバージョンのWindows(OS)しか対応しないソフトウェアも存在しますので、
環境面で最初にチェックするポイントになります。
 

エディションは、バージョンが同じでも
使える機能が違う場合に名前が付けられるものです。

Windowsの場合、
Active Directoryなどのサーバー製品と連携するのであれば、
Business/Proエディションを選択しないと
セキュリティ面などで不具合が出ます。

一般用途であれば、無印(RT/8/8.1を除く)を選択しても構いませんが、
ビジネス用途の場合は企業の規模・環境などによって
検討すべき要素が複雑になるため、プロに任せる必要があるでしょう。
 

ソフトウェアの有無

一般用途では Office 付きが好まれますが(とくに日本では)、
ビジネス用途では企業のライセンスがあるので不要になることが多いです。

また、2014年末からは、Office のエディションに
Premiumが増えた(日本だけ)ことにより、
一般ユーザーの方にとっては選択について以前よりも考える必要が出てきました。

Premiumエディションをざっくり説明すると、
購入したノートパソコンに付属のPremiumエディションのOfficeは、
更新費用を支払わずに使い続けることができるというものです。

Office 365のように1年ごとに更新する必要がない点が一番の違いですね。
 

ただし、SharePointやOneDriveなどのサービスを利用するには
継続課金の必要があるなど、考慮すべき対象は複数ありますので、
やはり良く知っているプロに相談するのがオススメです。

 

まとめ

ここで挙げたように、
ビジネス用途でノートパソコンを購入するというのは
案外考えるべき項目が色々あります。

CPUの速度やメモリの容量といったスペックはもちろん重要ですが、
それだけではない視点も持ちましょう、と言うことが伝われば嬉しいです。

また、パソコン購入後には
アプリケーションやデータの移行が必要であることも
忘れないようにしましょう。
 

その他、IT 関連の疑問があれば、お気軽にご相談ください。

※Excel や Word などのソフトの疑問などでも大丈夫ですよ!